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<要旨>心の法則と念力ヘの批判
森島恒吉 編

 五井先生は「心の法則と念力の教え」に対して特に強く批判され、「宗教の真実の生き方とは何か?」を明快に説かれました。以下は、それらに関する五井先生の教えを抜粋し、私なりに整理してまとめた要旨です。ご参考になれば幸いです。


   【心の法則とは何か?】

・「人間の世界は、思う通りになる世界である」という念の法則のこと。
・古い言い方をすれば、小乗仏教の「悪を想えば悪を生じ、善を想えば善を生ず」という因縁因果説、
 「三界は唯心の所現」と同じ意味で、肉体界、幽界、霊界の低い層の三界 を輪廻している想念の法則のこと。
・外国の精神科学、クリスチャンサイエンスを翻訳したもので、神示ではない。


   【心の法則による運命改善法の教え】

「自分の思う通りになる世界だから、病気は無いと思えば、無くなる」
「あの人は善い人だ、善い人だと思えば、どんな人でも善くなる」
「金持ちになる、金持ちになると思えば、金持ちになる」
「あなたが、これはできると思えばできるんだ。できないと思うから、できないんだ」
「痛む心があるから、痛むんだ」
「貧乏な心があるから、貧乏になるんだ」
−−というような教え。


   【心の法則による運命改善法の欠陥】

・自己を責め裁く。
・自己の力弱さ、低さを嘆き哀しむ。
・自己を欺瞞してしまう。
・真実の救いに入ることはできない。
・「あなたの心が間違ってるから、そうした不幸や病気が現れるのだ」と業を認める。
・「病気も不幸も、心の現れ」 「あの人は、あんな心を持っていたから、あんなになったんだ」と
 自分が病気をしても人が病気をしても、すぐにその法則に照らして、自分や人の心を痛め裁
 くような習慣がついてしまい、愛も情もない人生になってしまう。
・「自分は恐怖心が非常に強い。自分のように恐れる心の多い者は、心の法則の通り、
 必ず恐れる事態が起こるに違いない。恐れることはみな来るのだ」と心の法則を知ったことが
 かえって仇となって、日夜恐れつづけてしまう人がある。
・「あなたは貧乏したい心があるから、いつも貧乏しているのですよ。あなたが貧しい心があるから、
 貧しい人ばかりそばに寄ってくるのですよ」と説教すると、「貧しい人たちのために尽くして働こう」
 という尊い愛の心を失わせてしまう。


   【念力とは何か?】

・念力とは、業因縁の執着する心、把われの心である。
・念力とは、思念の力で、善悪にかかわらず自我欲望である。
・念力とは、肉体界、幽界、霊界の下層の三界に働く業想念の力である。
・念力とは、自己の欲する事物に一念を集中して、自己の目的を達成すること。
・念力とは、神や仕事への信を別にして、精神集中のように想いの力を強めること。
・念力とは、自己の想い通りに相手を動かそうとする心で、催眠術も念力の一つ。


   【念力による願望達成法の教え】

「人の一念巌をも通す」
「信念の魔術」
「欲しい物があったら、その欲しい物を頭に描いて、この願いが叶えられる、叶えられると一心に思いなさい。そうすれば、それは叶えられます」
「職が欲しい、家が欲しい、金が欲しい、といった場合、その欲する目標に向かって一心を集中し、想念の力を強くしていけば、その職なり家なり金なりが、自己の下に引き寄せられる。だから、その目的物に向かって一心を集中しなさい」
「自己の欲する物は、すでに与えられているのである、と堅く思いこむことです。常に想いつづけることです」
――というような教え。


   【念力による願望達成法の欠陥】

・自我の強い人になる。
・自我欲望達成の虜になってしまう。常に自分の欲することのみを念ずる癖がついて、神 との一体観ではなく、
 自我欲望つまり業想念との一体観になってしまう。
・自己の欲する物を与えられることが、必ずしも真実の幸福を得られるとは限らない。
・神は常に自己の思う通りになるもの、と思い違えてしまう。
・業想念世界の成功、不成功に人の想いを止めおいてしまう。
・自己の念力の強大化に満足してしまう。
・念力の強弱によっては、自己の思う通りにならずに、先見越しの事業をやって失敗したり、
 医者にかかったら治り、安静にしていたら治る病気を、治す機会を失って死んでしまったりする。
・「自分は久遠実成の仏である」と信念しても、その信念の想いが邪魔になって、仏の姿が現実に現れてはこない。
 かえって気張ってしまい、常識外れの変な人間になる。
・念力の修練では、三界の苦しみを超えることができない。
・神界に往かれず、或る階層で止まってしまう。
・常に念力を強める努力をしなければならぬので、いつも少しもゆとりのない緊張した心の状態でいなければならない。
 念力の衰えた時には、悲惨な境遇に陥る。
・思念の力は力むこと。力んだことは神様に届かない。
・思念による方法では、神の国顕現というような大理想の実現はとてもできない。
・相手より優位に立つことを考え、人と争うようになる。
・同時に幾人かの人が、同じ物を欲した場合、どうしても念力の争いになり、調和な心は崩れ去る。
 相手に勝ちたいという想いが、念力合戦となり、戦争を起こす。
・念力の弱い者は、常に敗北者となる。
・宗教争いになる。
・幽界の生物と波長が合致して、一時的には成功を収めるが、やがては幽界の生物の餌食になって、
 その肉体を滅ぼす。
・念力で望みが叶った後が大変で、そのお返しを何らかの形で後々になってやらされる。


   【真実の宗教の生き方】

・宗教とは、祈りによって神と一体化する生き方。
・空の境地になることが、宗教の目的。
・自我欲望、願望は、神にすっかり預けてしまい、神への感謝に想念を変えてしまい、神に感謝していれば、
 自己に必要な物は必ず叶えられ成就される、という生き方。
・真の祈りによる天命の達成、その天命成就のための必要なる事物の獲得という生き方。
・自己の想念をすべて「神のみ心の通りに」と、祈りの中に神に全託すること。
・想念行為が転回している三界の軌道外に出ること。三界の輪廻の法則を断ち切り、業想念の三界を超越して、
 光明世界の神仏の世界に到達すること。
・自分が良くあると同時に、他も良くあってほしいと考える生き方。
・大調和精神で、不和も闘争もない生き方。
・自然と愛と真の行為として現れる、という生き方。


    【五井先生の教え】

・「現象無し」とは言わず、「消えてゆく姿」と説く。
・「私が悪い」の言葉も、「あなたが悪い」の言葉もない。
・肉体人間の余計な想念は、神のみ心を邪魔するだけで、何の益もない。
・守護霊、守護神のご加護に対するたゆみない感謝行をすること。
・人間の勝手気侭な思う通りになる世界を全否定して、世界平和の祈りに全託する。
・力まずに息張らずふんわりと、神様に一任してしまう世界平和の祈りを祈ること。
・世界平和の祈りは、思念の力で神の光を地上に流れ入らせるというものではない。
・世界平和の祈りを、教義の実行面の唯一の行としている。

                                                       (完)



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