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   【序文 五井先生の光明思想】

 「光明思想とはどういう意味なのか?」
 「五井先生の光明思想は、生長の家の光明思想とどこが異なっているのか?」
 このような質問を受けて、私は徹底的に五井先生の光明思想を解明しようと思い、研究しているうちに自然にこの本がまとまりました。
 光明思想といいましても、光明思想という言葉を使っている人は、生長の家の教祖谷口雅春師と白光真宏会教祖五井昌久先生だけですから、その信者以外にはまだまだ一般には知られていない思想です。そのせいか、二教団の信者たちさえも、教祖の説かれた光明思想の真実の意味を知らずに、自分勝手に解釈している人が少なくないようです。
 宗教指導者が光明思想の真実の意味を知らずに、自分勝手に浅く解釈してその思想を宣伝しておりますと、光明思想を普及させるつもりが、信者たちをとんでもない冷酷思想へと導いてしまうことにもなりかねません。ですから、光明思想の意味をよく理解しておく必要があるのです。

 この本では、谷口雅春師の光明思想と五井先生の光明思想の違いが、五井先生によって徹底的に比較されております。五井先生は、谷口雅春師を光明思想の先駆者として尊敬し非常に讃えながらも、谷口雅春師の光明思想のどこに重大な欠陥があったのか、を冷静に指摘されていて、独自の新しい光明思想を発表されております。
 従いまして光明思想といいましても、谷口雅春師の光明思想と五井先生の光明思想とは、全く異なる内容の思想である、とまず私たちは知らねばなりません。
 五井先生は、生長の家の光明思想について、「悪は無い、と説きながら、精神分析で自他を責め裁き、悪の存在を認める矛盾がある」「反省なき偽善者になるか、または罪人意識に把われてしまう」「現実的に無理がある」とその欠陥を指摘して喝破しました。
 生長の家の光明思想は、五井先生の教えられるように、確かに矛盾していると私も思うのです。ところが不可解なことに、業想念のなせることだと思いますが、矛盾を矛盾と気がつかない人々が案外に多いのです。谷口雅春師ご自身も晩年に至って、実はこの矛盾に気づいていたのですが、そのときにはもう訂正できなくなってしまったようです。
 五井先生の光明思想とは、「徹底的に悪をつかまない」「いちいち自分の欠点を自分で引き出して、自分で直す、という行はしない」「自己を責めたり、人を裁いたりしない」「世界平和の祈りの行によって、光明心を自然に顕現していただく」という思想なのです。
そして「世界平和の祈り以外に、光明思想の行は無い。世界平和の祈りに、付け足す行は何も無い。光明思想家がなぜ大神様の大愛にすべてをゆだねないのか!「自力を捨て去り神に全託せよ!」と五井先生は世界平和の祈り以外の方法を強く否定され、世界平和の祈りだけが、光明思想の唯一の行である、と説かれているのです。光明心を顕現する方法は、たった一つしか方法が無いのです。私たちはこの五井先生の教えをよく噛みしめなければならないと思います。
 また、光明思想を、「私は成功できる」「やればできるのだ」「善のみを想い善のみを行動するのだ」「やりぬいてみせる」というような可能思考、積極思考、成功思考、善念思考と同じ意味として説いている人もいますが、この解釈は浅いものでありまして、やはり誤りと言わねばなりません。
 五井先生の説く光明思想とは、可能思考でも積極思考でも成功思考でも善念思考でもないのです。これらの思想は、一時的には心を明るくさせ勇気づけるように感じるので、まるでこれが光明思想であるかのように誤解してしまう人がいるわけですが、この程度の思想は、霊覚者でなくとも誰でも考えつくことのできる幼稚な思想であって、特に光明思想とは呼べないのです。それどころか、これらの積極思想は、場合によっては人生を破滅させるほどの恐怖思想ともなりかねないのです。真理に片寄った光明思想は、自分を責め裁き、人を責め裁く道具と化してしまうのです。真理の言葉を唱えるだけで真理を現せるほど、業想念の力は甘くはありませんから、嘘だらけの偽善者となってしまうのです。
 真実の光明思想は、それらの思想よりも、はるかに高い自由無礙の思想であるのです。
 その理由も、五井先生の光明思想の教えをよく考えればわかってきますから、この本をくりかえしお読みいただきたいと思います。五井先生の光明思想は、あまりにも高く深い思想であるために、読者の心境によっては浅く解釈されてしまうこともあります。この本は五井先生の光明思想に関する教えを抜粋し、一つにまとめたものですから、この際、光明思想についてのあなたの概念を、この本によって総点検して、真実の光明思想を世界に普及していただければ幸いと存じます。

1993年2月20日 編集者 森島恒吉



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